ブックシェルフ柄の壁紙について
トロンプイユ(だまし絵)という表現特有のシュール感が良いです。
空間へのインパクト、そして空間の何処かには必ず存在する本棚と繋がる親和性/導入のしやすさ、この2つが素晴らしいバランスで両立する稀有な壁紙です。
インテリア上、失敗せず大きな成功が約束されている、と言えるかもしれません。
先日、ワルパに伺って新しい本棚柄に出会いました。
結構、あるもんですね。
ここでちょっとまとめてみようというのが本日の記事です。
まず、商品の紹介の前に本棚柄について私見を。
だまし絵と言えど本気で騙しちゃいけないと思います。
多少、デフォメルが入っていてウソと分からないと。
ウソが遊びとなり楽しさとなります。
かと言って抽象的過ぎてもダメで、多少は写実的であることも必要ですね。
ちょっとは本物に見えないといけません。
少しでもリアルに見えることで騙そうとした意図、つまりウソを感じ取れるようになり、これが楽しさに繋がることになります。
ここで紹介する本棚柄は、ウソと本気の表現や配合割合はそれぞれ異なりますが、上記した要素がいずれも入った本棚柄だと思います。
まずはDeborah Bownessです。
これは本命ですね。
本の並び方がランダムでセンスいいですね。
写真そのものなのでモノクロだと写実的過ぎてウソが薄いため、単色を加えたバージョンやマルチカラーのバージョンの方がウソっぽくなりポイントが高い気がします。
モノクロはリアル過ぎて圧迫感もあるような気がします。
小さな空間にいっぱい貼るとなるとリアルな柄がグワっと迫ってくる感じがするので、アハーン邸くらい開けたところで距離が取れれば良いかなと思います。
また、距離が取れなければ壁紙を間隔を空けて(隙間隙間に壁が見える)壁紙ですよって分かるような貼り方であれば、ウソと本気の釣り合いがとれるような気がします。
心地よくウソと分かって楽しさにつながるヴォリュームってあるように思います。
デボラは一本3万円中頃のお値段だそうです。
次はゼッティの本棚柄です。
我が家も貼ってます(くどいですね)。
これは写真ではなく絵なのでウソと分かります。
なのでデボラの本棚柄のように難しさはなく気軽に使えます。
逆にリアルっぽさが多少足りない気がしたので、私は壁紙 in 本棚(本棚 in 壁紙)にして少しだけですが騙し感(ウソ)を強くして遊んでます。
ピエロ・フォルナゼッティという希代のひねくれ作家に由来しているのだと思うのですが、この壁紙のウソのつき方はトロンプイユの本質を押さえていると思います。
値段は1本3万円を超えましてデボラと同格。
他の壁紙に比べると相当に高いのですが、空間の主役となるインテリアと考えて他のインテリアの主役達(ソファとかダインングテーブル)の値段を思い浮かべれば、むしろ安いことが分かります。
壁紙ごときがそんな値段するの、とお感じになるなら、それは壁紙を軽んじる悪しき既成の住宅概念から脱却できていないのかもしれません。
コーポラなんかで自由設計をするなら、様々な建材を等価で考えて可能性を広げるとおもしろいかと思います。
で、ゼッティの壁紙ですが、テシードのサイトに見当たりません。
以前の記事で廃盤するという情報を書きましたが、したようです。
先日、ワルパに伺った際にテシードの契約が切れて在庫を全て廃棄したとの話を伺いました。
海外サイトへ直発注するしかないでしょうか。
他のブックシェルフ柄ですと、先日記事にしたワルパに素敵なヤツが二つありました。
現物を拝見しましたが、個人的には1枚目のKozielのBibliothequeが気に入りました。
ミニマムで静かな佇まいがお洒落です。
ウソっぽさもなかなかの感じです。
我がコーポラのトイレの壁がAEPの白塗装でして、水が跳ね返って跡になるので柄を入れたいとインテリアに無関心な妻が言い出していまして、大蔵省の公認事業として予算を度外視して壁紙が選べると(勝手に思って)選定をしてまして、候補の一つです。
これもいいですね
真っ白なんでシンプルで、トイレのような小さい空間でも圧迫感なく収められそうです。
WALPAのだまし絵のコーナーには他にも色々と本棚柄がありますね。
それからシャネルの壁紙でも本棚柄があります。
けど、これはトロンプイユではありませんね。
騙そう感がない。
なのでこれは外します。
銀座のシャネルで実物が掲示されていて見てきましたが、値段が半端なかったです。
金額を覚えてないんですが、デボラとかゼッティの値段がとても可愛く思えたのを覚えてます。