ザ・コーポラ内覧 ZERO-ONE VS アーキネット

先週の週末にコーポラのオープンハウスに伺いました。

ZERO-ONE OFFICEの手掛けたTradica(吉祥寺東町コーポラティブハウス)です。

コーポラを検討していた頃にしたメール登録がまだ生きているようで案内がきまして、これは是非行ってみようと。

内覧は楽しいですよね、しかも吉祥寺!

住みたい街ランキング上位の吉祥寺でのコーポラ生活がどんな形になるのか興味ありました。

また、コーポラの企画会社(設計事務所)の間でどういった違いがあるのか興味がありました。

ウチはアーキネットです。

ボツになった土地に他社がまたコーポラ!?という過去記事で書きましたが、アーキネットが組合成立せずに断念した土地に、ZERO-ONEが新しいプロジェクトを企画して、こちらは進行しています。

この違いは何なんだろう、企画会社によって何が違うんだろうということが、今でも引っかかっています。

まあ、違いといいましても、進め方などは参加しないと分かりませし、同じ企画会社の中でも担当者やプロジェクト、施工会社など変われば全く違うと思います。

また、同じコーポラプロジェクトに参加した施主の間でも、企画会社の担当者や設計事務所の担当者など同一人物に対する評価が全く異なったりします。

私のプロジェクトですと、とある設計士に対して、喧嘩した住戸、大きな不満を抱いた住戸(私)、不満を感じなかった住戸と3者3様でした。

私が興味を抱く違いはそういうものではなく、出来上がった空間/設計の違い、そしてそこから読み取れる企画会社や設計事務所などの考え方の違いです。

これは内覧する建物の隅々に現れているでしょうから、読み取れるに違いないと。

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まずは憧れの吉祥寺ライフについて。

現地はこちら

駅から北北東の方へ向かって、ヨドバシやスタバなどのある商業施設の多い区画を抜けて、住宅地に切り替わってから1つ目または2つ目にあたる区画です。

徒歩9分くらいですが、商業施設などの中心地に隣接する区画ですので大変便利です。

最も身近な日常である「近所」にそういうものが普通にあるって、なかなかお目にかかれる環境ではありません。

隣の区画に大きなヨドバシのマルチメディア館があるって単純に凄いなと思いました。

HARBSも毎日食べられます。(しかも吉祥寺店はほぼ行列をせずに入れてしまうところも凄い)

都会ですね、とっても。

でも一方で、中途半端に都会なんだとも感じました。

商業施設ですが、例えばチェーン展開しているショップの吉祥寺店と新宿店、銀座店、青山店って、品揃えやセンスに確実に差があると思います。

洋服屋さん、インテリアショップなどを見てそう思いました。

私、個人の考えですが、東京に住む以上は何でも最先端に簡単に接することができるメリットを享受したと考えています。

そうするとやっぱり吉祥寺では全くの役不足なので、都心へ行かなくてはならない。

簡単に中心へ出て行けるかということが大事になります。

例えば吉祥寺駅より新宿側のJRの駅は、コーポラのメッカといえるほど案件が多い。

そういう選択肢はあるなと。

通勤でも都心を向かうなら近いに越したことがないと思いますし。

それから最寄り駅まで9分は少し遠いと感じました。

吉祥寺の全てを知っているわけではありませんが、この規模の駅ですと徒歩9分というのは近い方なんだと思います。

しかも、駅から自宅までの間に凄い商業施設があれば、かなり便利でしょう。

でも、フラッと駅まで行けるもう少し気軽な距離で、その距離の中に最低限のものが揃っていれば困らないな、というようなことを思いました。

駅までの距離が気軽なら、その先の都心へのアクセスも楽になりますし。

以上の考えはあくまで個人的な価値観のお話です。

私の中では都心へのアクセスは重要な要素ですが、何を良しとするかは人それぞれですし、色々な捉え方があって肯定もあれば否定、あるいはどっちでもないという無関心もあると思います。

みんなが住みたい!と思う街のようなので、自分はどうなのかということを見学するコーポラに住んでみたらと仮定して、検証したかっただけです。


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次は実際のコーポラの建物/空間です。

いや~現地が近づくにつれて徐々に興奮が高まります。

既にコーポラを購入している身ですが、やっぱり内覧会は楽しいです。

テンションあがります。

今までコーポラの内覧ですと、アーキネットがプロデユースした四谷四丁目プロジェクト代田タウンハウスに、それぞれ住人の方が入居前と入居後に計2回伺ったことがあります。

四谷~の設計士は田井幹夫さんでして、メディアに紹介されることの多い方です。

少し前ですが、建物探訪でも田井さんの作品が紹介されていました。

四谷はインフィル1千万円超えの住戸が多いようですので、見応えありました。

入室してすぐに「う~ん良いね~(高そうだけど)」とテンションの針が上に振れます。(これ大事です!)

都心のど真ん中ですから、参加者も意識/センスの高い方が集まっているのでしょう。

また、幾つかの住戸で設計士が選んだのではないかと思われる共通した設備がありまして、例えば古材フローリング、ドンプラハの水洗、スタルクの浴槽などですが、いや~凄くセンスが良い。

満足度の高い内覧でした。(一方で、ここまでお金を掛けられないと気持ちが冷えたりもしましたが)

一方、代田~は早川邦彦さんでして、メディアなどの露出はないので素人は知らないのですが、建築の教科書に出てきたり、雑誌「新建築」の賞の選考委員をされたり、その筋では大御所だそうです。

当然、その筋で凄いということは、素人にはあまり良さが分からないということだったりします。

施行写真をご覧いただいて、四谷~と比べれば分かるとおり、素っ気ないです。

私、最初は四谷ほどテンションあがりませんでした。

でも実物を見るとですね、その素っ気なさが、ただ素っ気ないんじゃなくて、もの凄く素っ気なくて、立派な意匠にまで昇華されています。

特に外観が凄い、これぞコンクリ打ちっ放しのお手本というぐらいフラットで美しい。

そういう凄さです。

田井さんと早川さんの物件を比較すると、素人考えですが柔軟さが違う気がします。

田井さんは柔軟さがあるので、色んなモノを取り込むことでの表情の豊かさがあり、早川さんは美学を曲げないので、色々なモノは排除して「芯」だけが残されてストイックな空間になっていく、そんな気がします。

他に内覧といいますと、コーポラと同じ長屋の共同住宅となるUNITED CUBESを見に行ったことがあります。

設計士がSAANAの妹島和世氏、施工が大成建設というコーポラとは比べものになりません。

これは素敵な建築/空間でした。

CUBEという箱の1つ1つは素っ気ないんですが、それが積み重なってとても豊かな空間になります。

これが建築/空間の力か!と目をみはりました。

こういう力を体感することって、公共施設とか商業施設ではよくありますけど、住宅ではあまりないと思います。

いや~冷やかしのつもりで行ったのでが、ちょっとしたアート体験になりました。

こうやって振り返ると、所謂「アトリエ系設計士」と言われる尖った設計士の物件を内覧しているんですよね。

そうそう現在、住んでいるコーポラもアーキネットですからアトリエ系です。

最初はそういう設計士の良さとか凄さがよく分からなかったのですが、今はそれなりに好きでして「新建築」とか「住宅特集」とかは欠かさず見てアンテナを張っています。

そういう物件と今回のZERO-ONE OFFICEがどう違うのか。

アーキネットはプロジェクトにより設計士が変わりますが、基本的にはアトリエ系設計士に頼んでいますので、アーキネットとZERO-ONEの違いとも言えるかもしれません。

アーキネットはプロジェクト毎に変わるので一概には言えないんですが。

ZERO-ONEの物件は、ZERO-ONE自身が設計したり、外部の設計事務所に依頼するなどあるようですが、アトリエ系設計士とは全く違うと感じています。

まあ、アトリエ系の詳しい定義も知りませんし、ZERO-ONEのプロジェクトも数件しか知りませんので、ちょっと乱暴な感想かもしれませんが。(でも今回、内覧して正しかったと思っています)

ZERO-ONEは仙川プロジェクトとか参加を考えたことがあるので、ZERO-ONEを選択したら、私が住んでいるコーポラの建築/空間と何が違ったのだろう?ということは漠然と心に引っかかっていまして、今回の訪問で何か掴みたいと思いました。

で、最初の一室目に入った瞬間から、今までの内覧との違いが明確に現れました。

いや~楽しんですよ、内覧が。

テンションあがります!

所謂コーポラの格好いいイメージがそのまま形になってるんですよ。

私、アーキネットの内覧では四谷~に多少萌えたぐらいでして、今回ほどテンションがあがったことはありません。

何が違うんだろうかと見ていくと、仕掛け/工夫が多いのです。

当然ですが、そこかしかに仕掛けがあって「ホ~」となりますので、すぐにテンションがあがってきます。

思い出したんですが、ZERO-ONEに初めてコーポラなるモノの説明を聞きにいった際に、設計士が応対してくれたんですが、とても盛り上がったんですよね。

シャンデリア吊したいとか言うと、おもしろいと言ってくれて、例えば・・・という具合にポンッと返してくれる・・・・この楽しいやり取りは、自分のコーポラを設計する際には一度もありませんでした。

そのことと、仕掛けの多い空間を見まして、ZERO-ONEは施主フレンドリーなんだろうなと感じました。

しかもアーキネットの場合と違い、ZERO-ONEは設計事務所ですから、毎回毎回プロジェクトをこなす度に、コーポラ施主の趣向やそれを形にするデザインのノウハウなどがドンドン蓄積されていきます。(外部の設計事務所に依頼することもあるようですが)

そりゃ、嬉しい仕掛けがこれでもかって感じになるんだと思います。

ただ、この仕掛けの多さは逆の見方がある!と思いました。

工夫すればするほど線や角が圧倒的に増えます。

一般の住宅に比べれば十分シンプルだとは思うのですが、私が内覧をした上記のアトリエ系設計士によるコーポラと比べて、かなり空間がゴチャゴチャしているなと感じました。

建築/空間が持つ素のボリュームの美しさ/ダイナミックさってあるんですよ。

アトリエ系設計士が線を引いて面なり空間を切り出すと、それだけで端正なボリュームが生まれて、積み重なって静謐な空間が出来ます。

あるいはダイナミックな空間が現れます。

建築的な美学が貫かれているとでも言うんでしょうか。

美学を貫くということは施主フレンドリーではないかもしれません、譲らない部分があるということですから。

テンションがあがるような気が利いた仕掛けは余りないです。

一方でZERO-ONEはその美学が貫かれていない気がしました。

ただ、言い方を変えれば施主のために美学を曲げますので、気の利いた楽しい仕掛けは沢山ある。

私も妻もそうだったのですが、ZERO-ONEのコーポラにはすぐにテンションがあがりますが、アトリエ系設計士のコーポラは良さが分かり難いんですよね。

でも、今なら入居してよく分かっていますのでハッキリ言えます。

アトリエ系設計士の美学は入居すれば必ず体感できます。

ヒシヒシと伝わってきます。

私、入居して1年経ちますが今もって色褪せません。

1つの面、角を取っても「ああ、綺麗だな~」と自然と思います。

設計のやり取りで言い争いしても設計士が譲らなかった所は、なるほどこういうことだったのかとその収まりの美しさに納得することも間々あります。

こういうアトリエ系設計士の美学を日々体感することも「生活の豊かさ」の1つだと思います。

ZERO-ONEの物件を拝見すると、こういった美しさは沢山の仕掛けのために崩れていると感じました。

ここが出来上がった空間を見ての、アーキネットとZERO-ONEの大きな違いだと感じました。

結果としては、どっちもアリだと思います。

ZERO-ONEの吉祥寺は、実際にコーポラに入居している私が拝見してもテンションあがって楽しかったので、良い物件だと思います。

一方で、自分のコーポラに戻ってみると、やっぱこっちの方がストイックで、端正で、綺麗だなよな~と素直に思います。

でも、また吉祥寺に行けばテンションあがるんですよ。

なので、どっちが良いとか悪いの話ではありません。

まあ、単純に出会いですよね、アーキネットではなくZERO-ONEで気に入った物件があれば、私も決めていたでしょうし。

私なりに比較をしてみて、建築/空間について気が付いた最も大きな違いということで書いてみました。

プロジェクトへの参加を決める際は、立地とか駅とかもっと大きな要素が他にありますので、建築/空間などは2番手以降の要素かと思いますが、自分なりに好きな要素で比較がしやすかったので書きました。

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それから、コーポラ内覧の注意事項を1つ。

以前の記事でも書きましたが、コーポラを内覧する際は自分の趣味趣向という物差しで見てしまうと、どれも気に入らない!ということになります。

初めて内覧に伺った私がそうでした。

こだわり屋さんの施主が自分の価値観を積み上げたのがコーポラのインフィルです。

それをコーポラを検討している別のこだわり屋さんが見るわけですから、琴線に引っかかるわけがない。

こだわり屋さん同士は、なかなかそうそう交わりません。

見る側はもっと客観的にですね、良い所を見つけるような寛容さを持って内覧しないと、内覧しても得るモノがないというマイナス結果にしかならないと思います。

長文の割に雑感だらけで申し訳ありません。

本日の記事とさせていただきます。
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