天井フローリング無垢材のオイル塗装について ①
入居して1年経ちましてオイル塗装しても問題ないという判断に至りまして、急ぐ必要はなかったのですが、何となくそろそろやってみようかと思い立ちました。
まず、こういうのは専門家にやってもらった方が良いと思いまして、我がコーポラを建てた施工会社に見積もりを依頼したところ、約30万円との見積もりが・・・・。
給料一ヶ月分ですから金額そのものは十二分に高いという印象ですが、作業負荷などを踏まえて妥当なのかもしれないとも思えて、しばらく頼むか自分でやるか悩みました。
妻は専門家に頼むべきだという意見でしたが、色々と家具の購入などで資金を使い込んでまして、ちょっと厳しい。
まずは自分でやれるならやるという前提で、どのような作業になるのか確認してみようと思いまして、無塗装のブラックウォールナット無垢材の販売元であるマルホンのショールーム@OZONへ出向しました。
まずは塗装前に180番くらいのサンドペーパーで表面を磨いて、それからオイル塗装をやるとのことでした。
マルホンの販売する無塗装のフローリングは、塗装品よりも表面を荒く削ってあるので、ツルツルした美しい仕上げにしたいなら、サンドペーパーをかけた方が良いとのこと。
そうなんですよ、ウチの天井は部分的にですが目が粗いんですよ。
3.2mの天井なので少し距離があるのですが、見慣れてくるとちょっと毛羽だっていることに気付きます。
その毛羽立ちがモクの荒々しさを多少ですが強めていまして、それはそれで悪くないんですが、オイルで濡れ色にして木目や色調がキツくなると、逆にその荒々しさはいらないと思いました。
TVボードや額縁の制作を依頼したKARFの設計士にも粗いままかツルツルにするか意見を聞きましたが、オイル塗装ならツルツルに磨いた方が綺麗ですよと即答でしたね。
とりあえず、表面は濡れ色を美しく見せるために磨くということに決めました。
っていうか、なぜ無塗装は表面を粗いままにしているのか全く理解できません。
理由を聞いても「そういう仕様なので」ということでした。
設計士には入居して状況を見てオイル塗装するかも、と伝えていたので、気を利かしてサンダー済の無垢材を貼って欲しかったところですが・・・・無理ですね、そんな気が利くタイプじゃない。
自分で作業をする際は、このヤスリ掛けがかなり重労働になります。
養生もありますし。
サンダーマシンでやろうかとも思いましたが、施工会社、KARFの設計士、マルホンの方・・・・尋ねた全員から、危ないので天井には使わない方が良いと言われて断念。
う~ん、悩んだ挙げ句、床のフローリングとは違って直に手を触れることはないこと、天井は通常より少し高さがあって見上げるにしても距離があること、以上2点を踏まえて、ヤスリは掛けるがそこまで徹底してやらない!ということにしました。
天井を触ると、スムースな箇所もあれば粗い箇所もあってマチマチです。
天井のサンプルが手元に数メートル分ありまして、それも場所によって粗さがマチマチでしたので、それを使ってですね、180番の紙ヤスリを掛けて表面がスムースになる箇所の粗さ、120とか280とかの紙ヤスリを掛けて表面がスムースになる箇所の粗さなどを検証しました。
その結果ですね、床から天井をジッと見上げて、何となくでも粗さが分かるような箇所は180番でもスムースになることが分かりまして、とりあえず180番である程度やれば、天井全体がツルツルに見えると。
徹底してがんばる必要はなさそうです。
それから、マルホンの方が、オイル塗装は通常は2回繰り返すのですが、天井で液がたれる心配があるので薄めに1回だけで良いのではないかとのことでした。(作業マニュアル)
手元にある無塗装のウォールナットにオイルを塗って試してみると一回塗りで十分に綺麗。
残ったオイルが木目に溜まって濁ったり、汚れがついたりするらしく、拭き取りも大事とのこと。
2回塗りだと拭き取りも大変ですし、気を抜けば逆に汚くしてしまうことになります。
ここは一回にしておこうと思いました。
それから、養生ですよね。
かなり細かい削りカスがでるので、これは徹底してやらないと。
なかなか難しいと考えていたんですが、これまでの塗装のやり直し工事や壁紙を貼る追加工事などを拝見して、ビニールシートやマスキングテープなど所定の資材を使えば何てことなく出来るということに気がつきまして、これはできるなと。
そもそも施工会社が大がかりな養生をしても、作業を終えて帰った後には必ず汚れやホコリが残っています。
どうしても残ってしまうので仕方ない・・・・なんてことはありません、単にいい加減なんです。
金払っているのに。
自分がやればそういうストレスはありません。
それから足場ですが、施工会社がやるような大きな足場は組めないので、ちまちまハシゴを移動させてやるしかありません。
ハシゴですから、バランスを取りながら天井をヤスリ掛けするにも力が入らなそう・・・・。
これはちょっとネックです。
ただ、ハシゴは小回りが利きますから、空間にある大きな家具を移動させる必要はない。(但し、養生は必要)
大体ですね、こんな感じで作業負荷等々を整理しまして、施工会社に30万円を払って頼むか、資材費用を負担して自力で作業を行うか、暫く悩みました。
夏休みが迫ったある日、突然「こんくらいわけないだろ!」とどこからともなく軽い気持ちが沸き出しまして、自分でやることにしました。
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夏休み初日を作業日と決めて、それまでに資材を取り寄せました。
180番紙ヤスリ 30枚
320番紙ヤスリ 3枚
紙ヤスリホルダー大(180番紙ヤスリをセットして作業しやすくする装置)
紙ヤスリホルダー小(320番紙ヤスリをセットして作業しやすくする装置)
ハケ(粉を払う)
防塵ゴーグル
防塵マスク
Arbor植物オイル
ウエス(段ボール1箱)
ハシゴ 2台
大判ブルーシート
マスカーテープ
養生テープ
こんな感じです。
トータル2万円弱。
安い安い。
ハシゴは、何かとメンテナンスで必要だろうと2mを超える高さのハシゴを買っていたのが役立ちました。
もう1台は同じような考えで購入をされていたコーポラのお隣の住戸からお借りしました。
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そして夏休み初日。
6:00起床。
妻と子供は邪魔なので幕張のトミカ博へ行かせました。
日が沈むまで絶対に帰ってくるなと。
そして7:00作業開始。
まずは養生。
8:30までに終えるつもりが、2hかかって9:00に完了。
ちょっと押しましたがまあまあ予定どおり。
ちなみに資材はこんな感じです。
9:30からヤスリ掛け開始。
天井の広さは幅3m×横6mでして合計18平米。
ハシゴを移動させずに作業できる距離が1.2mくらいのため、横6mを5分割(@1.2m)しました。
開始してすぐにトンでもない大変な作業を始めてしまったのかもしれない、ということに気がつきました。
重力に逆らって力を掛け続けてサンダーすることの辛いこと辛いこと。
常に逆らっている訳ですから、完全にアウェイ。
しかも削ったあとに入念にハケで削りカスを掃き出すので、結構、時間がかかります。
5分割した1列目のやすり掛けをヒーハー言いながら汗だくで終えて時間を見ると10:30過ぎ。
まずい1h以上もかかっている。
ということはヤスリ掛け完了まであと4h。
昼休憩なんかも考えると、塗装に入るのは16:00頃。
トミカ博から帰ってくる家族は19:00頃として、2hくらいで塗装を終えて、養生を片付ける必要あり。
で、できるのか・・・・。
いや、やるしかない。
しんどいヤスリ掛けを1列1列ですね、丹念にこなします。
1列終わっては倒れるように床に寝転んで体の痛みを取る、この繰り返しです。
3列目くらいに差し掛かると、もう30万くらい払うから~と心の中で泣き叫んでいましたね。
途中から全然、力が入らなくなったので(泣笑)、紙ヤスリの交換を早めにして常に削れる状態でやるようにしました。
目論見通り15:30過ぎに何とかサンダー終了。
至る所、粉だらけです。
私自身も粉塵まみれ。
180番の紙ヤスリの使用枚数は、購入枚数で言うと20枚くらいです。
使った紙ヤスリの残骸です。(購入した1枚を3つに切ってヤスリホルダーに装着しています)
そして16:00からオイル塗装を始めたのですが、これが大誤算。
今までの経験からススッと塗れてヤスリに比べてはかどるものだと思っていたら、オイルに若干ですが粘性があるせいか、無塗装のウォールナットにそう簡単に染み込んでいくわけではないのです。
ムラや塗り残しが出ないようにじっくりやらなければいけない作業なので急ぐことはできません。
この時点で、時間内には終わらない事に気づきまして、暫し呆然。
これは翌日もやるしかないと頭を切り換えて、まずは妻と子供が帰ってくる前にまずはヤスリの削りカスと養生シートをまとめて片付けることに。
オイルは垂れませんので養生は不要です。
そして自分もシャワーを浴びて削りカスとおさらば。
気を取り直して、天井を塗り始めて5分割した1列目を塗り終えた18:30頃に妻と子供がトミカ博から帰還。
天井が1/5しか塗られていない状況に唖然。
「1日で余裕で終わる」と大口叩いた本人が、こんなはずじゃないとビックリしているんですから、そりゃ驚きますよね。
中途半端に中断したのですが、ちょっとこの中断の仕方は悪かったです。
スピード優先のためにハシゴで作業できる範囲を塗っていたのですが、良い塗り方は板毎に塗るのだと思います。
このように板の途中で塗りを止めてしまうと、後から塗り足した部分と微妙に色の濃さ/オイルの浸透に差が出てしまいます。
でも、足場が作れずにハシゴで移動しながらの作業ですから、ちょっとそれはできませんでした。
塗った時は確かに差が生じましたが、1W経過した今はほとんど分からなくなりましたので結果オーライです。
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そして、翌日、「午前中には終わるから!」とまた妻と子供を追い出しました。
ですが15:00頃に帰宅した彼らが見たのは、半分ちょっとしか塗り終わってない天井と、いっぱいいっぱいで状況の説明すらしない疲弊した夫の姿でした。
妻から「明日から飛行機で帰省するのにどうするの!」と怒鳴られた私は素直に「どうしよう?」と返してしまいました。
まあ、20:00頃までかかって何とか作業は終わりましたが。
いや~、兎にも角にも大変でした。
段取りって大事ですね。
何で1日で終わるなんて血迷った考えを持ったのか不思議でなりません。
帰省から戻りましたら、部屋にもの凄くオイルの臭い(胡麻の臭い?)が充満していました。
塗りたてですからね。
換気して天井を見上げると、塗りたてよりも落ち着いた感じで馴染んでいまして、ずっと良くなっています。
いや~あっぱれ濡れ色ウォールナット!
やって良かった!!
1W以上経過した今でも体が痛いんですが、これは報われました。
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余りに大変な作業だったので、ついつい長文になっていまいました。
すいません。
次回は塗り前と塗り後の比較をいたします。