ウェグナー「スリーレッグスシェルチェア」について
この椅子を買いました。
カールハンセン&サンから復刻されているハンス・J・ウェグナーのスリーレッグスシェルチェアです。
OZONEの会員割引を利用してノルディックフォルムで昨年11月に発注して、先月3月にようやく到着しました。
コーポラで家を購入しようと思い立つより遙か昔、インテリアに興味を持ち始めた頃にゾッコンになったイージーチェアです。
その頃に比べたら知識もセンスも遙かに磨きがかかっただろう現在においても、十二分に魅力的でして、傑作だな~と素直に思います。
好きになった最大の理由は、このアクロバティックな見た目からは想像つかないウェグナーらしい素晴らしい座り心地です。
座るという動作は、体を屈折させて特定の部位だけで重さを支えることになるので、ストレスを伴う行為だと思います。
だけどウェグナーの椅子は、どの椅子も座った瞬間にフッと軽くなるような心地良さを感じます。
その中でもスリーレッグスシェルチェアは、アクロバティックな造形と座り心地の良さのギャップにいつもちょっとした驚きを覚えまして、座る度にとても新鮮なんです。
言い過ぎかもしれませんが、座ることがちょっとしたアート体験になる、私にとってそんな椅子です。
無垢ではなくプライウッド製でして、イームスに影響を受けたと言われています。
本体と座面・背面の張り地ですが、カールハンセンでは布の張り地に沢山のバリエーションを用意してポップな感じを提案しています。
特徴的な造形なので、そういう新しい試みもとても合うと思います。
以前に質感の悪い名作家具たちという記事で書いたVITRAのコーンチェアをは大違いです。
スリーレッグスの張り地を選ぶ際は色々なイメージが湧きまして、こういう買い物が楽しくなる仕掛けはモチベーションがあがります。
ただ、最終的にはごくごくオーソドックスにウォールナットとアニリン黒革の組み合わせにしました。
色々な生地に目移りする自分を諫めて、色付けは出来るだけ少なくしようと。
この椅子は色々なテイストが当てはまると思います。
「北欧」「ナチュラル」「ポップ」「ミッドセンチュリー」「近未来」etcですが、特定のテイストは意識せずにシンプルに元々チェアが持っている存在感を出そうということしました。
まず本体です。
今までの過去記事で書いてきていますが、リビング・ダイニングの天井ウォールナットが浮かないように床置きの家具にウォールナットを持ってこようというから、ウォールナット(突き板)のオイル塗装に。
そして、シンプルに仕立てるということから、座面・背面は黒革という飾り気の少ない男っぽい組み合わせにしました。
シンプルなので、ウチのタイルの床やコンクリ打ちっ放しとも合っています。
革は確か4種類ほどあるのですが、シンプルな組み合わせほど質感が問われると思いまして、一番高い(とは言っても革の面積は少ないので金額差は思ったよりありません)アニリン仕上げの革にしました。
納品されたスリーレッグスを見て、アニリン革にして良かったと思いました。
キメの細かいスムースなレザーでして存在感があります。
ウチのポルトローナフラウのソファ「KENNEDEE」の革と比較してもキメが細かい。
こちらがスリーレッグス。
以上、KENNEDEEの革。
キメが荒いですね。
北欧家具でよく見るアニリン仕上げですが、恐ろしく美しいです。
大変気に入ったスリーレッグスですが、一点難点があります。
スリーレッグスは「面」が多い椅子でして、ウォールナットにした場合、木目が大きく入ります。
突き板の木目が「当たり」か「外れ」かによって多少は見栄えが変わりますので、「当たり」になってくれと祈ってました。
「当たり」「外れ」というのは木目が美しくなるかどうかということでして、木調の製品全てに言えることですが、美しい木目・色調になるかはどうかはその時の工場の在庫次第になります。
ウチのスリーレッグスは・・・・少なくとも当たりじゃないですね。(笑)
色が抜けたような木目でチーク見たいです。
奥のイームズのウォールナットスツールと比べると分かりますが、濃度が浅い・・・。
この当たり外れは木製品の宿命なので仕方ありません。
背面はウォールナットらしい幽玄な雰囲気が出ているのですが、こっちを一番目立つ座面のサイドの貼って欲しかった。
現在、リビングにポン置きの状態ですが、思ったよりデカイです。
これを置いた途端、リビング空間のインテリ許容量がギリギリいっぱいになった気がします。
何とかするしかないので、テレビやソファー、ダイニングテーブルなどの位置をずらして最低限の空間を確保しました。
ただそこに置くだけでは味気ないので、その周辺を何とかうまくセッティングしようと考えていまして、出来上がったらまた記事にしたいと思います。