外開きの扉について
将来、子供部屋になる個室がありまして、そこの扉が入室する際に室内へ向かって扉を開ける内開きではなく、通路側に引く外開きになっているのです。
普通は内開きにすることが多いのですが、外開きにしたのは設計ミスという訳ではありません。
個室を作る際に、色々な設備との空間の取り合いの結果、個室の扉から向かいの壁までの奥行きが1m73㎝ということになり、扉75㎝+ベッド1m=1m75㎝に対して2㎝足りないために、内開きにした場合は、ベッドに扉が当たって開けきれないということになったからです。
引き戸にすれば解決なのですが、同じ階の別の部屋(書斎&寝室)がレコード部屋ということもあり、遮音はしっかりしたかったために隙間が多く生じる引き戸は避けました。
その結果、外開きということに。
担当の設計士は結構悩んでやってくれたんですが、無理だったようです。
実際に使ってみると、ちょっと不便です。
外開きは、通路という導線を塞ぐ格好で突き出てきますので、いちいち閉めないといけないのです。
朝の忙しい時間は開け放して行き来したいところですが、いちいち開閉しないといけません。
また、将来は子供部屋にするのですが、様子が分かるように開けておきたい。
内開きであれば、部屋の中に収めて開け放てますが、外開きはそういうわけにはいきません。
外開きがOKな場合は、通路の突き当たりなど導線が1つしか存在しない場合と、トイレなどのように開けとくわけにはいかない設備の場合に限られると思います。
ストレスとまでは言いませんが、ちょっと煩わしいのが残念です。
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この記事を書きながら、設計中にどうにかして内開きにすることはできなかったのか・・・・思いを巡らしたところ、解決方法が見つかってしまいました。
しかも、今からは手当しようがないということも分かりました。(笑)
たった、2㎝なんて工面できないわけがないんですよ。
個室の奥行きが少ないことにしろ、何にしろ、この階に引かれている図面上の諸々の線はとある1点を起点にしています。
以前に階段を単なる通路にしない②という記事で触れましたが、我がコーポラの空間のど真ん中に階段があります。
この階段の一段目の立ち上がりが起点となり、壁の位置が決まり空間が区分けされていきます。
上の写真を見ていただければ分かると思いますが、1段目の立ち上がりに沿って柱や扉が並んで、そこに壁が続くのです。
設計において、階段が空間の真ん中にあるのがやりずらくて、結構な「厄介者」だったんですが、外開きになってしまったのもコイツの位置の所為です。
実は、上階のキッチンでも階段の所為で広さが取れないという問題がありました。
打ち合わせの席で、設計士が小一時間ほど図面を真っ黒にしながらやり繰りして、どうしてもキッチン内に収納を入れるスペースが作れない、ということになったのです。
設計士が引く線をよく見ていると起点となっている箇所があることに気づきまして、それが階段の1段目の立ち上がりだったのです。
それで「1段目に合わせるからうまくいかないのであって、2段目なり3段目の立ち上がりにあわせて、数段が通路に突き出す格好になっても構わない」と指摘したところ、スペースが取れるようになり、全てがうまく収まりました。
頭が固いんですよね、セオリーにこだわり過ぎ、その方が美しいんでしょうが。
最下段が突き出ていますよね。
また、階段の勾配をきつくして階段自体を引っ込ませるやり方もあります。
階段はスケルトンに当たりますが変更はできると思いますので、勾配の緩やかさを犠牲に(急勾配に)すれば長さを短くできます。
他の住戸の方でそれをやってらっしゃった方がいらっしゃいました。
私の場合、ただでさえコーポラの階段は傾斜が急ですし、それを更に急にするのはちょっと・・・・どれくらい急になるのか確認することもできませんので、それをやるよりかは傾斜をそのままにして素直に1段を出す方が良いと判断しました。
傾斜に余裕があれば別ですが。
以上のような発想で、階段の立ち上がりに合わせずに数段ほどセットバックした地点を起点にすればさせれば数㎝程度であれば捻出できます。
これを前掲の下階でもやってれば、簡単に内開きにするだけの奥行きを確保できました。
設計中は、外開きのドアがここまで気になるとは思っていなかったので見落としてしまいました。
外開きに対するキチンとした認識があれば、解決方法は上階と同じだったのです。
フゥ~~~~ッ
今更、仕方ない・・・・仕方ない・・・・仕方ない・・・・
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外開きドアについて、情報を探したらおもしろい記事がありました。
玄関の扉について内開きを推奨する記事です。
地下住戸の方は水害にあった際に水圧でドアが開けられなくなるので内開きが良い、とか意外と為になることが書いてあります。