サニタリー計画 ③ (選んだ製品について)
<バスタブ>
サニタリー計画①で述べましたとおり、最初は置き型のものを探しました。
その後あまり紆余曲折はなく、すぐにTOTOの鋳物ホーローバス(スクエア)に出会って、ほぼ即決で採用となりました。
出会いは新宿のTOTOショールームの奥にあるnew materialのコーナーにあった展示です。
展示のバスタブの直線的でシンプルな形状(スクエアタイプ)と美しい滑らかな光沢、微動だにしない重量感・・・一瞬で「これっ!」と決まって、それ以降にどんな製品と比較しても揺るぎませんでした。

一番のポイントになったのは、鋳物成型によると思われる微動だにしない重量感/硬質感。
とにかく触れてみれば分かります、バスタブに横たわってみれば分かります。
例えば、他に良いな思った候補として、duravitのstarck3というコーポラでも採用の多い製品がありまして、直線や傾斜がシャープで格好良いのですが、ユニットバスによくあるような内側が空洞のように響くんですよね、それがとても軽いというか安っぽく感じるのです。
鋳物ホーローを体感した後は特に。
他にも、これまたコーポラで人気のカルデバイの鋼板ホーローも候補の1つでしたが、鋼板と鋳物の違いなのでしょうか、鋳物ホーローバスの方がどっしりした質感でプロダクトとしての力強さがある。
本当に一切の振動を許さないほどの重量感・・・・その触感/体感が、直線的でカクカクしたスクエアな形状の視覚効果と相まって、体感した人の内側でプロダクトとしての存在感を増幅させるような気がします。
実際に私の中ではドンドン増幅されて、すぐに惚れ込んでしまいました。
見て回ったバスタブの中では断トツの存在感でした。
ただ、先に挙げたような洋物バスの方が、寝そべったときに体にフィットしますので、入り心地は若干劣ると思います。
コーポラに入居している現在、毎晩のような体感しては「このバスで良かった」と思っています。
ちなみに、余りの重さのために搬入が困難だったらしく、折角作った壁を一部壊して入れたそうです。
しかも、重さのためにどこかにぶつけたらしく、入居そうそうホーローが一部剥がれるというアクシデントもついてきました。
<シャワー・バスタブ水洗>
シャワーの水洗取っ手は、Axor Starck Classicでして、洗面台の水洗と揃えています。

これを選んだ理由は、シンプルと明快に完結したデザインでして、同種の他製品ともハッキリ区別がつくからです。
シャワーヘッドもAxor Starck Classicのシリーズで揃えると格好良いのですが、いかんせん機能が弱いので、ハンスグローエのレインシャワーにしています。
ここはデザインより実用性を取りました。
洗い場につける水洗器具(しゃがんで使う蛇口)は、前回の記事で書きましたが、湿気対策のため取り付けていません。
シャワー一本です。
バスタブに注ぐための水洗も、よくお湯を出しっぱなしにしてバスタブから溢れてしまい、月の水道料金がとんでもない額になることが多かったので、あえて作ってません。(湯沸かし器経由で直にバスタブへ流し込む)
シャワー一本の水洗ですが、今思えば、もっと水洗器具をつけてデザインを入れても良かったかなと思います。
Axor Citterioなんてチッテリオらしく男っぽくて格好いいですね。
同種のデザインを、シャワー、洗い場蛇口、バスタブ蛇口と反復させると際立って格好良いと思います。(費用も際立ちますが)
それから不便としてもシングルレバーではないものも今更ながら惹かれます。
<洗面台周辺>
洗面器は、ベッセルがホテルライクで人気がありますが、水を撒き散らして使う方なので、メンテナンスを難儀に感じて却下。
デュポン社のコーリアン製のシャンプーボール(一番大きいボール)とカウンターを一体につなげた仕様にしました。

ベッセルに比べるとデザインがかなりシンプルなのですが、サニタリー空間には他にもデザインの主張が結構ありますので、洗面ボールはあえて主張を抑えたというところです。
水洗器具はAxor Starck Classicにして、シャワー水洗と揃えています。

理由はシャワーで述べたとおり、同種の他製品ともハッキリ区別がつく明快なデザインだからです。
羽のような形状のシングルレバーで、片手で水量と温度の調整ができます。
賃貸マンションの水洗しかしらなかった私には、片手で全ての調整が完了できるのは画期的でして楽しくて仕方ありません。
まあ、水洗器具はこれを選んで良かったのですが、デザインということを考えると、あえてチッテリオの男っぽい2つの蛇口で捻るタイプも忘れがたいです。
今だったらメンテナンスが手間かかるとしてもチッテリオにしますかね。
洗面カウンターを内蔵した壁一面の造作家具は、耐湿/耐滴性能を考えてデコラヴィータですが、公共/商業施設向けの建材なのでデザイン性の高い面材がかなりの種類あります。
ウチは黒の木目調にしました。


造作家具にミーレの洗濯機を入れ込んでいますが、本当は丸窓ではなく、面材を挟むことが出来る扉の仕様にして造作家具に馴染ませたかったのですが、乾燥機付き洗濯機を除いてその扉の仕様がなくなってしまったため、やむなく丸窓です。
丸窓はミーレの象徴ですので、丸窓を好む方は多いと思いますが、完全に造作家具に対して「浮いて」しまってるのが残念です。
<タイル>
床と壁は全てタイルにしました。
床タイルについてという記事でも書いていますが、タイルの持つ格好良さと言いますか、上質感と言いますか、非日常感は大好きです。
床は、サニタリー空間全体を落ち着いた印象にしてリビングっぽくするために、ダークグレーのINAXサーモタイルに。

丁度、リビングに玄晶石調の墨色タイルを入れるので、同じスレート調で同じ色調となり、リビングとイメージが重なるようにしています。
床とバスタブ周辺の立ち上がりを同じすることで、埋めてあるバスタブの白が浮き立つようにして、バスタブが真ん中に出ていることを強調しています。
これを階段を昇降する時に、ガラス張りにした壁から見るわけです。

壁は何でも良かったのですが、白だと床や造作家具の濃くて暗い色調とコントラストが付きすぎてしますので、白を少し柔らかくする発想で淡いグレーにしました。
平田タイルの15Thirtyという製品です。

横長の形状もグッドですし、ニュートラルなグレーでして品があります。
この微妙なグレーはナカナカ良い感じのものが見あたらず探し回りました。
ちなみに、この製品は曲がり角には利用できません。(折れない平面の壁にしか使えない)
施工例の写真では角にも使っているんですがね、ダメなんだそうです。
平田タイルの稚拙な施工例に笑っちゃいます。
角がギザギザしていまして、なめらかにする加工ができずに危ないということらしいです。
ウチは施工の段階でそれが発覚して、今更、コーディネートを変えられないということになり、角に器具を入れて隠すことになりました。

面にシルバーの縁取りがあるのはこのためです。
この縁取りは個人的にない方が良いのですが、仕方ありません。
