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キッチンについて ~後悔~

我がコーポラにおいて、大きな心残りの1つがキッチンです。

クリナップのクリンレディ(名前がダサイのであまり書きたくないのですが)という、ごくごく普通のシステムキッチンを入れています。

使い勝手が悪いということはなく、それどころか数あるシステムキッチンの中でも抜きん出て優秀だと思います。

痒いところまで手が届くような細かな有り難い機能満載です。

何が心残りかといいますと、選んだシステムキッチンに全く非はなくて、自分達が設計においてキッチンの位置づけを明確にすることができずに、全くコントロールできなかったことです。

まず、設計を進めるにあたって、キッチンはこだわらないと決めていました。

そして、こだわらないと決めたのなら、どうこだわらないのかを詰めていかなくてはいけないのです。

家の中の色々な設備を決めていかなくてはいけない状況において、どうしてもこだわりたいところに意識や時間が集中しますので、設計において大きなウェイトを占めるようになっていくのですが、その一方で、こだわらない箇所は興味も沸かないし時間もないということでドンドン中途半端になっていくのです。

設計において、こだわる箇所にかけるエネルギーや時間と同じだけを、どうこだわらないのかということに費やさないと「こだわらない」ことにはならないのです。

我がコーポラのように、こだわらないことを管理せずに放っておくと、そこに余計な費用がかかることになり、余計な費用がかかる割には格好良さが手に入るわけでもないし、あれば有り難いけど無ければ無しでも構わないような機能ばっかりついてくる(システムキッチンによくあります)結果となります。

納得できるところに費用をかけること、要らないのなら思い切って削ること、共に施主の価値観に基づきカスタマイズする住宅であるコーポラの大原則ですが、こだわらないし時間もエネルギーも割けないから管理しないということになると、この原則からどんどん離れてしまって、振り返ると「なぜやらなかったのだろうか」「不本意にお金がかかっている」などと悔やむことになると思います。

我がコーポラでは、妻にしろ私にしろ、キッチンについてはあまり強い気持ちがなかったのです。

昨今、キッチンの設計といえばメインイベントだと思いますが、ウチはそうではありませんでした。

ただ、こだわらないならばどうこだわらないのか、ということについて、モチベーションの高いリビングなんかと同じような強い気持ちで取り組まないと、こだわらないことを形にできません。

他の興味のある箇所の設計に時間とエネルギーを取られて、キッチンについては何となくシステムかな、何となくその中ではクリナップが良いかな、という感じで漫然と設計を進めてしまいました。

見積もりがどうやっても200万を超えてしまうので、その時点で「こだわらないと決めた割には随分とお金がかかる」とハッと目を覚ましたのもつかの間、一からやり直す時間的余裕もなく、こだわらないんだからもうこれでいいじゃないというように結論を出してしまいました。

人間って興味ないことについて力を発揮するってナカナカ難しいのです。

今、振り返るとそのダメな考え方しか辿れなかった自分に腹が立ちます。(笑)

考えることをしないなら、安いのはイケアという安直な発想で突っ走れば良かった。

実際、安いでしょうし。

あとは「金額を抑える」という観点の造作キッチンにすれば、200万を切るあたりで何とかなっただろうという気がしています。

意匠的には、システムキッチンの丸っこくて野暮ったくて、ちょっと気品がないというかカジュアル
な感じより、直線的でシャープだったりしてシンプルなイメージの造作の方が、アトリエ系設計士の設計したスケルトン/インフィルの意匠にもマッチするでしょうし。

OZONEの住まい作り相談を利用した際にも、コーディネーターの方からこういう家に住むのだから造作キッチンにするべきだと(インフィル設計終了後に)ハッキリ言われましたね。

この造作については、どうして話を進めなかったのかと本当に悔やんでいます。

ちなみに担当のインフィル設計士は、方向性もアイデアもアドバイスも一切何も提案しれくれませんでした。

住宅全ての仕様について、素人の施主が高いモチベーションで挑むなんて無理ですから、こういう「苦手箇所」については設計士が気がついてフォローが欲しい所です。
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